1月24日(日) 級別検定会の講評について
主任検定員を務めました中尾です。コロナ禍での検定会開催につき、普段より緊張状態にある受験生の皆様に対しまして、待機中には受験生同士の距離を取っていただくなどのご協力をいただきまして、あらためて感謝申し上げます。1級につきましては小林検定員、2級につきましては林検定員よりお話させていただきますので、私からは全体の総括を述べさせていただきます。今回の検定会は、受験者の方々の技術レベルが非常に高いと感じました。結果、多くの方が合格されたのだと思います。特にジュニアの子供たちの活躍は、主催者にとって、今後のスキー界への期待であると嬉しく思います。
技術的着眼点を述べさせていただきます。2級と1級の技術的着眼点においての大きな違いを2点ほど。1級では完成された「同調操作」を求めることになります。また、2つ目は、2本の板の4つのエッジ全てを使用できることも求められます。このことは同時に、内スキーの外側エッジを使用することへの恐怖心との闘いでもあります。1級では完成された外側のエッジの使用を求めているものではなく、入門的に使えているとのご理解でよいと思います。この「同調」と「外側のエッジ」を使いターンを仕上げられるかが合否のカギとなると思っていただきたいと思います。一方、2級は上級者への入り口です。検定では「大まわり」「小まわり」と2つのターンをしっかりと操作できることが求められます。また、2級検定では、多くの受験者の方々が対応に苦慮されているのが「シュテムターン」です。パラレルターンの練習に多くの時間を費やすことで、シュテムターンへの練習が少しだけ足りないように拝見しています。1級、2級ともにターンをするための要素として、一番基本となることが「外脚への荷重」になります。外脚への操作が確実におこなえて、初めて完成したターンに近づきます。「外脚への荷重」は超エキスパートになっても基本、永遠の基本となりますので、日々鍛錬を重ねていただきたいと思います。本日の検定会では多くのジュニアが素晴らしいスキーを見せてくれました。みんな非常に上手で検定員の先生たちはビックリしました。合格したジュニアの皆さん、おめでとうございます。また、惜しくも合格できなかったジュニアの皆さんは、次は必ず合格できるように頑張ってください。最後に検定員の先生からジュニアの皆さんに一つだけお願いがあります。それは、スキーをするには、お金がいっぱいかかります。スキーをさせてくれている、お父さんとお母さんに感謝する気持ちを絶対に忘れないでください。この気持ちが合格することより、もっと大事です。感謝の気持ちを忘れずに、いっぱいスキーをして、もっともっと上手になってください。上手になって楽しそうにスキーをしている姿が見られることを、楽しみにして待っています。
【小林検定員より1級講評】
検定お疲れさまでした。大回り系はスピードのある滑りが多く好印象を受けましたが、反面、腰の位置のズレ、内倒、外向過多等から逆にスピードにのせられている感じがしました。切替時の適度な内傾から舵取りでの外傾により板に的確に加圧してターンやスピードをコントロールすることが1級であれば求められてきます。そのための身体のポジション、タイミングを低速種目で、しっかり身につけていただきたいと思います。小回りついてはテンポを急ぎすぎてテールを振る傾向があり、その結果エッジングが後半に集中してテールを中心としたズレという状況が見られました。谷回りの早い段階からエッジングすることによってスピードをコントロールできるようにしてください。大回りも小回りも基本的な操作、癖をなおすのには低速種目での練習が非常に有効です。自分の欠点をみすえ、それを克服し、今回残念な結果の方は再挑戦、嬉しい結果だった方はさらに上の目標をめざして頑張ってください。
【林検定員より2級講評】
検定お疲れさまでした。1日雪となりあいにくの天候でしたが、無事に終了でき、皆様のご協力に感謝いたします。2級検定は、ターン外側になるスキーにしっかりと力を伝えて、板を動かして雪からの抵抗を感じられるポジショニングができているか、ターン(速度と回転弧)をコントロールして仕上げているかを評価させていただきました。ターンの内側に傾きすぎたり、ターンの内側を向きすぎたりして、スキーに力が伝わりきっていない方は、点数が伸びなかったと思います。今回の結果があと一歩だった受検者はシュテムターンの回転弧が小さい方が多い印象です。開きだしたスキーへ素直に力を伝えられる位置に重心を移動し、ターンが仕上がるまでその位置でスキーに力を加え続けられるよう注意してみてください。よいポジショニングはすべてのターンで大切な要素です。最後に合格された方おめでとうございます。是非スキーを楽しみながら練習を続けて1級さらに先も目指してください。
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