昨今の季節外れの気候により、雪解けが進み、非常に難しいバーン状況での開催とな
りましたが、受検者のみなさんのご協力により、スムーズな運営とゲレンデでの安全
確保へのご配慮により、無事に検定会を終了できましたこと、改めまして心より感謝
申し上げます。
受検者:テクニカル53名、クラウン29名
合格者:テクニカル6名、クラウン2名
検定員3名より総評させていただきます。
〇大回り
緩んだ雪による荒れたバーン状況に対し、体の向き、前後左右ポジションが正しい位
置から外れ、荷重方向にズレが生じ、スキーの滑走性を引き出せなかった。またバラ
ンスを崩してしまうシーンも多くみられました。特にターン導入部では、後ろになっ
たポジションが戻せず、結果的に捉えの甘さが見られました。このような難しい雪質
、バーン状況では、運動の支点を下げ、上体の安定を図ることで、ポジションとスキ
ー操作の修正を行って頂きたいと思います。それにより、スキーへ働き掛ける力の方
向も改善できてくると思います。雪質に合った運動と働きかけの方向の見直しを行っ
て頂きたいと思います。
〇総合滑降
基本的には、大回りを主体にスタートからゴールまで、スピードを乗せていく構成を
目指して頂きたいと思います。ただ当日の雪質の影響も大きかったと思いますが、小
回りを主体に構成した方が多く見られ、結果として減速してしまう構成になってしま
っていました。また大回りから小回りに展開した際に小回りのエッジングが軽く、ス
キーを左右へ振り出すだけのような操作も多くみられました。正しいポジションでス
キーへの働きかけを行うためには、重心移動を伴うことが必要になります。それによ
り、このような雪質の中でも撓みを引き出していけると良いと思います。その他には
、斜面の使い方やリズム変化などの構成を見直すことで、合格点に達する滑りもあっ
たと思います。総合滑降(フリー)種目には、うまさを感じる構成を考えて頂くことも
大切だと思います。
〇小回り
全体的に、大回りと同様、スキーに対する前後ポジションがズレてしまっていること
により、バランスを崩すシーンが多く見られました。ターン導入時の捉えが甘く、エ
ッジングがターン後半に集中してしまうことで、制動要素の強いターンになっている
ケースも多く見られました。体の前で処理するような運動は制動要素が強くなるので
、滑走性を引く出すことが難しくなります。高い位置での捉えと、たわみを引き出す
荷重が大切だと思います。また小回りは、たわみに加え、回旋運動を組わせて頂き、
ターンと滑走スピードがマッチしたものを目指していきたいです。
〇不整地小回り
テクニカル受検者については、コブを乗り越えていく際、股関節の動きが少なく、雪
面コンタクトが不足する滑りが多かったです。股関節を積極的に使い、よりコブに関
わっていく動きを習得して頂きたいです。クラウン受検者については、積極的に縦に
滑ってくる方が多かったですが、過剰なスピードによるミスも多く見られました。左
右にしっかり弧を描いていくことで雪面コンタクトを確実なものにし、その中で、タ
ーンスピードを上げて滑走性を求めていくような滑りを目指して頂いきたいと考えま
す。
● 雪質・斜度など状況にあったターン導入時の前後左右のポジションのバランス
● 大回り、小回りに適した荷重とエッジングのリズムとタイミング(長い短い、多い少
ないなど)
今後、ご自身の滑りの質を高めていくために必要な運動要素だと思いますので、残り
のシーズン、スキーを楽しみながら成長につなげて頂けば幸いです。
ありがとうございました。
パノラマスノーアカデミースキースクール
主任検定員 藤田清次