3月2日に開催されたプライズテストの総評をさせて頂きます。
今週末は気温上昇により、トップシーズンの雪面状況から一転し、春雪らしいコンディションの中でのテスト開催となりました。
安全確保のため、途中、コース整備を入れる判断をさせて頂きましたが、皆さまのご協力により、大きな事故や怪我などなく、無事に検定会を終了することができました。皆さまのご協力に改めて心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
受検者:テクニカル55名、クラウン20名
合格者:テクニカル2名、クラウン1名
それでは検定員3名からの総評をお伝えさせて頂きます。
評価の観点は以下となります。
① ターン導入での捉え
② 捉えたスキーへの荷重動作
③ 切り替え方向
n 大回り
スキーと体の向きのずれが、荷重方向にもズレを発生し、前後左右のバランスを崩す局面が多くみられました。結果として、山回りで過度なエッジングや荷重になるため、その後のターン前半のポジションが安定せずにバランスを崩してしまうシーンも多くみられました。緩んだ雪面状況のため、スキーの反発が得にくい状況だったと思いますが、雪質に合わせた、的確なポジションと、スキーへ働きかる力の向き、特にターン前半の前後・左右ポジションの確保を目指して頂きたいです。
n 総合滑降
全体的に、大回りから中回りや小回りへリズム変化させた際に、エッジングが軽くなるシーンが多くみられました。ターンサイズを変えるときには、その変化させる前後における、リズムとタイミングの調整と、それぞれのターン毎のエッジング量の調整を意識して、構成を考えて頂けるとさらに良い演技へつながると思います。また、総合滑降の構成に関してですが、緩んだ雪質の中で、急激なターンサイズの変化や、ライン変更などにより、バランスを崩すシーンも多くありました。それぞれのターンの質は非常に良かっただけに、雪質に合わせた構成を検討頂けるだけで合格点に達することができただろうというシーンも多くみられ、検定員の立場としても、非常に悔しい思いもありました。ぜひ構成の練り直しも検討頂きたいと思います。一方、まったくリズムの変化が見られなかった方もいらっしゃいましたので、同様に構成の検討を頂きたく思います。
n 小回り
大回りと同様に、ターン前半に的確なポジションが得られず、エッジングがターン後半に集中してしまい、制動要素の強いターンになってしまったシーンが多くみられました。ターン前半に的確なポジション・角付けが行えるように、後半のエッジング、切り替えのタイミングと、雪質に合わせたバランスの調整を見直して頂きたいと思います。
n 不整地小回り
全体的に非常に良い滑りが多かったと思います。シーズン終盤に向けてしっかり、そして多くの時間と費やして練習してきた成果を実感致しました。不整地に関しては、雪面コンタクトと、ターン弧の丸みが、合格点に達するためには必要となります。それを引き出すために、コブの凹凸に対して重心の前後動により、コブの裏側へ積極的にアプローチしていくことや、スキーの回旋操作の習得が必要になると思います。前後動が少なく、スキーを横向きにしてしまったり、また凹凸を乗り越える際に、ポジションが後傾になりバランスを崩してしまうシーンが見られました。確実な足首のホールドによる安定したポジションと、重心の前後動によるコブの裏側への積極的なアプローチの習得に向け、引き続き頑張って頂きたいと思います。
以上、総評です。
合格された皆さま、本当におめでとうございました。
今回は残念だった皆さまも、次回に向けて、今回の総評が少しでも力になれば幸いです。
どうもありがとうございました。
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