●検定員 井川
まず今回の検定におきましてはお子様方から大人の方まで沢山の方にご参加頂き また皆様のご協力のもと円滑に検定会が行えた事に対し心よりお礼申し上げます。
改めて生涯スポーツと呼ばれ世代を超えて楽しめるものであると実感が出来る良い検定会になったと感じております。
検定の観点としましては大きく3つのポイントとしてターン運動の構成(ポジショニング エッジング)斜面状況に対する適応度(スピードと回転弧の調整)運動の質的要因(バランス リズム タイミング)をもとに皆様の滑りを見させて頂きました。
全体的な滑りの印象としては1級の方も2級の方もシーズン終盤の検定でもありしっかりと滑りこんできた方が多かった印象があります。
その中でも基本動作に忠実にその習熟度を上げて滑りを表現され合格点になった方と逆に実践の滑りのなかでシーズン後半になって切りかえやボジョニング等が雑になり少し得点が伸びなやんだ方とで分かれた印象です。
1級に関してはターン前半から後半までしっかりと弧を描き滑らかでいて推進力のあるターンをされた方には高得点をつけさせて頂きました。
ターンの前半の切りかえで急激な操作や身体を倒してターンに入る方はどうしてもエッジングがあまくなりポジションもセンターから外れターン弧が乱れてしまっている感じがしました。
今後のアドバイスとすればターンは円運動ですのでターンの前半ではしっかりと外側に対して運動を行い後半には斜面からくる外力に対してバランスが取れるポジショニングとエッジングを意識してそこに必要な柔軟な関節の使い方を覚えて頂ければと思います。
整地よりも不整地での動きが良かった方が多いのも印象的でした。その方に関しては整地においても同じ運動が出来ればと思います。
2級におきましては1級までの習熟度は求めはしませんがそこにむかう過程の中でやはり滑らかでバランスの良いターン運動を表現された方には高得点をつけさせて頂きました。
大回りと小回りで合格点に届かない方の多くはターンの切りかえ時またエッジングの際にスタンスがばらけてしまっていたように感じます。
パラレルターンとは2本のスキーを同時に操作し、同時に切りかえ同時にエッジングする事で斜面への適応度やスキーのもつ性能を引き出す事が出来ます。
ポイントとしては板を振るのでなく斜面下方向に上体の向きの先行を用いて滑らす事をきっかけとし、また後半も止めるのでなく身体の下に戻ってくるスキーに正しいポジショニングで乗り込むような構成をされると2本のスキーを同時に扱えると思います。
また補助動作として関節を柔らかく使った上下動やストックワークも有効です。
シュテムターンに関しては前半の開き出しがブレーキのイメージが多かったように感じます。
開く事でエッジが切りかえられ、開きながら斜面下へ滑る事で前半から雪面抵抗を貰えてターンが始まるといった運動がスムーズに行えれば決して難しい種目ではなくなります。
アドバイスとしてはプルークボーゲンを練習しその要素を変えずに後半にパラレルの引き寄せを練習してみると良いと思います。
今回合格された方も惜しくも届かなかった方も今年は例年無い降雪量の為、まだまだ滑れます。検定終了 気温上昇 悪雪とモチベーションが下がってくる季節でもありますがこれからの悪雪を滑る事は来シーズン確実なレベルアップに繋がります。
また普段トップシーズンでは硬くて嫌なコブもこれからが最適で絶好の練習になります。
更なるレベルアップの為に是非、春シーズンを楽しんで下さい。
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