プライズ検定会を受験された皆様。主任検定員を務めました中尾です。 3月開催の検定会としては非常に寒い1日ではありましたが、テクニカルプライズ53名、クラウンプライズ22名、合計75名と多くの方に受検していただきましたことを、パノラマスノーアカデミーを代表いたしまして感謝申し上げます。
また滑走中の転倒において、大きな怪我には繋がりませんでしたが、負傷された受検生の方におかれましては、心よりお見舞い申し上げますとともに、安全面の対応につきましては、もう一度確認をいたしまして今後の運営に反映させてまいります。
では、長野県スキー連盟 加藤検定員、木曽福島スキー学校 池田検定員との検定会議の中での意見・採点の着眼点を、講評として述べさせていただきます。
〇大回り
・テクニカルプライズ
ターンの切り替えから谷回りに入る際に、スキーから身体が離れすぎることで次の外脚が軽くなり、また荷重のポイントが遅れ、結果としてターン後半に荷重が集中していたと思います。今後のトレーニングとしましては、切り替え時は、次の外脚主導でターンを構成するイメージを持っていただけたらと思います。
・クラウンプライズ
エッジングが強すぎることで、雪面からのエネルギーをスムーズなターンの切り替えに繋げることができず、結果としてスキー操作が少し雑であるように感じました。今回は比較的固い雪面状況であったため、もう少し柔らかいエッジングの方が、雪面からのエネルギーを推進力が増していくターンに繋げられたように思います。
〇フリー
・テクニカルプライズ
検定員の着眼点といたしましては、リズム変化前後のスキー操作がスムーズに行われているか、身体の向きや重心が適正な位置に移動しているかを拝見しております。多くの受験生の方が、リズム変化の前後で身体が浮き上がったり、スキーのテール部を大きくターンの外側に動かしターンを構成したように思えました。
リズム変化のタイミングを全体の構成の中で初期の段階に組み入れ、また小回りではなく中回りにすることで、ゆとりのあるスキー操作が可能になると思われます。
・クラウンプライズ
大回りと同様にエッジングが強すぎる印象を持っています。
雪面からのエネルギーが思っていない方向に働き、スムーズなリズム変化の構成ができずに、結果として少し窮屈なスキー操作になったのではないでしょうか。
また、リズム変化につきましては、ギルランデよりも検定員の正面に向かって行った方が、検定員に対しては好印象をもたらす可能性が大きいので、検討してみてはいかがでしょうか。
〇小回り
・テクニカルプライズ
全体としてターン弧が小さく、コートの中盤以降にターン弧が乱れたり、スピードが増したりする受験生の方が見られました。
身体の横方向にしっかりとスキーを押すイメージで操作することで、大きく膨らんだターン弧が形成され、また身体を谷方向に移動することでスムーズな切り替えが可能になると思います。
・クラウンプライズ
大回り同様に小回りにおいてもエッジングが強く、また一点に集中していたように思いました。ターンの前半では、もう少し身体の外側にスキーを動かし、スキーが身体から離れたことで強いエッジングが形成されるようなスキー操作に心がけていただきたいと思います。
〇不整地
・テクニカルプライズ
コブの溝に合わせてスキーを横にして、テール部を大きく動かしていたように思います。コブの溝に合わせてスキーを操作することも必要ですが、プライズ検定会では、しっかりとスキーのトップ部を次の溝に落としていくことが重要です。
スキーのテール部を持ち上げることや、ストックを使用するタイミングを少し遅らせ、コブの反対側にストックを突き、身体を次の溝に落としていくイメージで滑走してみてはどうでしょうか。
・クラウンプライズ
コブの形状としては非常に滑りやすかったのではないでしょうか。
従いまして、ほとんどの受検生の方は普段通りのイメージで滑走できていたように感じています。
しかしながら難易度が高くない分、スキーのトップ部をしっかりと操作して、コブに張り付けるようなスキー操作が欲しいと感じました。滑走のラインを縦方向にとりすぎずに、外脚内脚が密脚で操作できる、スキーを廻し込めるラインを滑走することが良いと思います。