級別検定を受験された皆様。
主任検定員を務めました中尾です。
検定会の講評について、述べさせていただきます。
1級2級の講評につきましては、各検定員より申し上げますので、私からは全体の感想について、
述べさせていただきます。まず2級です。毎回2級を受験される皆さんは、滑り込みが十分で、
大回り、小回りのパラレルターンに関しましては、非常に上手な印象を持っています。
ただ一方で、シュテムターンに費やす時間が不足しているのではないでしょうか?
しかしながら今回は、シュテムターンに関して、私達検定員の着眼点をよく理解して、滑っていたと思います。
その結果、多くの受験者の方々が合格されました。
続きまして1級です。
検定会での2級のパラレルターンは、まだ完成されたターンを求めているものではなく、両脚を同時に操作する、
端的なイメージとすれば、板のトップとテールの幅が、どの場面でも同じとの理解でよろしいと思います。
このことに対しまして、1級ではターンのキレ、これはカービング要素とも表現されます。この要素が要求されます。
具体的に申し上げれば、四つある全てのエッジを使用することが必要ですが、1級のカービング要素は入門、
内脚のアウトエッジが雪面に接していて、ターン運動の途中で板のトップが開かない、とのイメージを持っていただければと思います。
最後に。今回も多くのJrの皆さんが検定会に参加してくれました。
皆さんが元気に一生懸命にスキーに取り組む姿を見て、開催者として非常に喜びを感じています。スキーはすごくお金がかかります。
Jrの皆さんは、お父さん、お母さんに感謝してスキーをして下さい。この感謝の気持ちは、スキーが上手になることより、
もっと大事なことです。また、一緒にスキーしましょう。
1級の方々について講評させていただきます。
大回り系はスピードのある滑りが多く好印象を受けましたが、反面、腰の位置のズレ、内倒、外向過多等から
やや強引にターンしている感じが見られました。
切替時の谷方向への積極的な身体の移動や舵取りでの外傾により板にしっかりと
乗り込みスムーズなターン導入やスピードをコントロールすることが求められてきます。
そのための身体のポジション、タイミングを低速種目で、しっかり身につけていただきたいと思います。
総合滑降は加えてスキーの楽しさスピード感、迫力というものを出して欲しいと思います。
小回りを入れてくるのはオーソドックスな構成ですが小回りに入る時点のバランスを
崩さないスムーズな移行が欲しいです。
また小回りは基本的に減速要素が強いのであまり多くいれるのは得策とは言えません。
3ターンくらいで十分です。
小回りついてはテンポを急ぎすぎてテールを振る傾向があり、その結果エッジングが後半に集中して
テールを中心としたズレという状況が見られました。谷回りの早い段階からエッジングすることに
よってスピードをコントロールできるようにしてください。
不整地種目につきましては今回ナチュラルバーンとコブレーンがありました。
ナチュラルバーンは一見易しそうに見えますが荒れたバーンでは弧をきちんと描くのが難しく
踏み換えもしくは振り回してターンするというケースが見られました。
コブレーンは今回かなり深く難易度が高かったようですが逆に丁寧に降りて来れば高得点を
だすことが出来ました。これは戦略的な話になりますがご自分の特性を良く把握して有利な
コースを選ぶことも重要です。そのためにもあれた状態のバーンや深いコブを見つけたら
積極的にチャレンジして練習しましょう。
大回りも小回りも基本的な操作、癖をなおすのには低速種目での練習が非常に有効です。
自分の欠点をみすえ、それを克服し、今回残念な結果の方は再挑戦、嬉しい結果だった方はさらに
上の目標をめざして頑張ってください。
和栗検定員より
今シーズン初の級別検定でしたが、ゲレンデコンディションも非常に良く全体的にしっかりと滑り込んできている方が多かった印象です。
2級検定のポイントは、しっかりとした外足荷重とバランス・リズムをキープして確実にスピードをコントロールして滑ってくることにあります。
そんな中、多くの方がしっかり基本を押さえて確実なコントロール技術を見せてくださいました。
中には更に一段上の推進力の有る滑りを見せてくださった方も何名かいらっしゃいました。
一方、重心の移動がうまくいかず、体が内に傾いて外足への荷重が足りていない方や、
ローテーションし過ぎることで荷重が足りなくなってしまっている方、ポジションが後ろ過ぎてコントロールがうまくいかない方も見られました。
まずは、正しいポジションを身に付け、確実に外足への荷重が常にできるようにしていきましょう。
2級の種目では大回り、小回りともう一つシュテムターンがあります。このシュテムターンは開き出した足にしっかりと重心移動して外足1本でもターンができるくらいまで荷重していくことによって内足が引き寄せられパラレルスタンスになっていくという技術なのですが、だいぶ皆さん種目の意味をよく理解されていて、例年よりとても良い演技が見ることができました。
合格された皆さんは、更に上を目指して今度はより推進力の有る滑りを得られるよう練習していって下さい。
惜しくも届かなかった皆さんは、上で述べたポジションや重心移動、外足荷重をもう一度見直して目標達成にむけて取り組んでいってください。
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