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3月14日(日)級別検定 講評

2021.03.16

3/14()の級別検定会の主任検定員を務めさせて頂きました藤田です。

パノラマスノーアカデミーとしては今シーズン最後の級別検定会になりましたが、60名を超える受検者の方々にお集まり頂き、本当にありがとうございました。

3月となり、今シーズンの集大成らしく、みなさんがシーズンを通して一生懸命練習、努力して得た技術と、そして気合いの入った最高の滑りを見せて頂き大変感動しました。

それでは、種目毎に講評をさせて頂きます。

    大回り小回り総合滑降

スキーを身体よりも外方向へ押し出すことで角付けすること。スキーへ荷重を行い、雪面を削ることでスピードをコントロールすること。そして両脚をひねる(内旋外旋)ことでスキーが回転すること。この運動がベースになると思いますが、谷回りでスキーを外方向へ動かさず、スキーヤーが谷方向に飛び込みすぎてしまい、結果、スキーと身体が離れて、両スキーへの荷重が出来なくなってしまうケースが目立ちました。雪面からの抵抗が強くなる山回りでは、しっかり荷重することで推進力を引き出したり、雪面を削ることでスピードをコントロールしたりするためにも、スキーと身体を離さないことが大切だと思います。もう一つは、両脚の回旋運動についてです。特にターン前半で内脚の外旋運動が不足しているため、内脚が使えずパラレルスタンスが崩れてしまっているケースが見られました。ターン前半の谷回りの段階で、もう少し内脚にも仕事をさせてあげましょう。そうすると両脚がそろったパラレルスタンスが出来ますから。

    シュテムターン

2級の種目になりますが、開き出した外脚へ荷重を行うことで、外脚に重さが乗り、内脚を引き寄せることが出来ます。その結果、ターン後半にパラレルスタンスで雪面を削ることができますが、今回、よく見られたケースとして、まず一つ目は、開き出した外脚へ荷重せずに内足を引き寄せてしまい、内倒してしまうケースです。もう一つは、開き出した後、外脚に荷重せずに、身体を回転内側へ向ける、所謂ローテーションしてしまうケースです。ともに山回りでスキーへ荷重が出来なくなりますので、雪面を削ることが出来ず、スピードコントロールが難しくなりますね。シュテムターンの習得は、角付け、荷重、回旋の運動を学べる非常に大切な要素がギッシリです。これから先の1級合格に向けても、その運動の理解・習得が近道になりますので、しっかり練習しましょう。

    不整地

転倒者も多く、難しい状況だったと思います。コブ斜面は1ターン毎にコブの大きさや形が変わってきますので、2つの大切なことをお伝えしたいと思います。まず一つ目は、コブ斜面を滑るときも、やっぱり外脚荷重がベースです。そして外脚荷重は、コブを乗り越えるまでやめない!ことが大切です。深い溝の中に入ったら荷重をやめてしまう方が多く見られましたので、乗り越えるまで、もう少し荷重していきましょう。2つ目は、コブ斜面は不規則なのでバランスを崩しやすくなります。崩れたバランスのまま、緩斜面、急斜面の連続になるコブ斜面を滑ると、どうしても転倒につながってしまいます。大切なことは、センターポジションをキープすること。また、バランスが崩れた場合にはしっかり戻すことだと思います。そのためは、切り替えでニュートラルポジションにしっかり戻ることだと思います

コロナ禍でのスキーシーズン。なかなか思うように練習に打ち込めなかった方も多かったと思います。そんな状況下でも、みなさんが精いっぱい続けてきた努力によって得られた成果は宝物です。根を張らせている段階の人、つぼみになった人、花が咲いた人、花が咲くまでのスピードは人それぞれだと思います。自分を信じて、得られた成果は、きっと花を咲かせます。誰よりも綺麗な花を咲かせましょう。残りのシーズンをめいっぱい楽しんでください。

   

  小林検定員

今シーズン最後の検定とあって皆さんとても良く練習していて以前の検定時より習熟度があがり良い滑りが多くみられて嬉しく思いました。また2級については前回までに比べ斜度がキツくなり大変かなと危惧しておりましたがそんな心配を払拭するような良い滑りが多かったと思います。外板によく乗り込み板をたわませてターンを推進させているかを特に見させていただきました。シュテムターンや大回りについては外板に良く乗り込めていない方の場合、スキー自体が回転してくるのを待ちきれず身体や脚で強引に回してくる動きが見られました。その結果、急激なエッジングにより、バランスが崩れ、ターン運動のスムーズな流れを失ってしまったり、ターンが横方向に扁平なものとなっていました。また小回りは、早いテンポを意識しすぎて無理やり振り回しその結果ズレが大きくなってしまうケースがみられました。早い段階から雪面を捉え雪をけずり出すようなイメージを持つとスピードコントロールがしやすく落ち着いて適切なテンポで滑ることができてくると思います。

これからスキーの特性を活かし板に加重することによってターンを推進させるような練習をしていただけたら良いと思います。それにはプルークボーゲンやシュテムターンを地道に練習していくことが有効です。最後に合格された方、おめでとうございます。この喜びを次のステップに向かっていくエネルギーとして、そして残念な結果に終わられた方はまだシーズン残っています。ぜひ一緒に練習して次の機会を嬉しいものにしていきましょう。皆さんお疲れ様でした。

 

 和栗検定員

今シーズン最後の級別検定は、前日の雨の滑りにくいコンディションから天気も回復してとても滑りやすい雪質に変化していました。全体の印象としては、シーズン後半に入っていて皆さんよく練習してきているなという印象を受けました。

1級検定のポイントは、斜面・雪質に対応したポジションがとれているか、両スキーを常に平行に操作して少なからず「スキーの走り」が出せているか、動きのタイミング・方向が斜面に合っているかという部分を評価していました。今回、多くの方がこの基準をクリアする滑りを見せてくれていました。

大回り・総合滑降においては、しっかりとした外足荷重とスキーの走り、次のターンに向かう体の向きが大変重要なのですが、そこがしっかりと練習されてきたと分かる滑りが多く見られました。一方で、ターン弧が小さすぎる、先にスキーの向きを変えてしまいブレーキ要素を強くしてしまう、ターン後半まで体を回しすぎてテールが流れてしまう等の動きがみられる方もいらっしゃいました。積極的にフォールラインに落下していく意識を持って滑るとよりスムーズで滑らかなターンが表現できると思います。

小回り整地・不整地においては、よりコントロールされた安定した滑りが多く見られましたが、不整地は少々苦戦されていたようです。上手な方でも転倒してしまうシーンが多かったのですが、不整地では何より常にリカバリーができるポジションと体の向きが必要です。バランスを崩しても常にフォールラインに体を向けておくことが非常に重要です。安定して不整地を滑るためには板は横を向いても体は下を向くいわゆる逆ひねりが大事なのですが、横を向いた板に対して体も同じ方向を向いてしまえばコントロールが非常に難しくなってしまいます。これから春スキーシーズンはコブの練習に最適な時期になります。たくさん滑ってコブにも慣れていきましょう!

最後に、今回の検定で合格された方も惜しくも不合格だった方も、この不安定な世の中でスキーができた喜びをかみしめて、更に上を目指してスキーを自然を楽しんでいきましょう。

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